● 音符のグルーピングによるトリック ●
§ ▼音符のグルーピング ▼フィルインでのトリック 音符のグルーピングによるトリック。「○○つ割りフレーズ」のようなトリッキーなフィルインの解説です。 ■ 音符のグルーピンググルーピング連符やパルスを3個づつまとめる、4個づつまとめる、5個づつまとめる、などのことをグルーピングと呼んでいます。日本語では「○○つ割りフレーズ」「○○拍フレーズ」と言ったりします。大雑把に言えば連符の3つごとや5つごとにアクセントを置くなどした連続フレーズのことです。16th Feelのような偶数まとまり基調で進むビートの流れの中での奇数グルーピング、逆に12/8 Feelのような奇数まとまりの中の偶数グルーピングのトリックがよく行われます。 グルーピングの考え方はフィルインだけでなくリズムパターン(フィール)の細分化パルスに対しても応用され、トリッキーなフィールチェンジやリズムチェンジに使われます。 単純なグルーピングの例■ 3拍フレーズ8分パルス系: Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
16分パルス系: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
■ 5拍フレーズ16分パルス系: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
■ 7拍フレーズ16分パルス系: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
練習法3拍なら「田端 田端 田端...」というふうに馴染みの言葉に置き換えたアーティキュレーションを歌いつつ練習を行うと取っつきやすいでしょう。5拍なら「池袋」、7拍は「赤坂見附」です。 5拍7拍になると複雑なので例えば「R l r l l R l r l l …」「R l r l r r l R l r l r r l …」などのパラディドル応用系に当てはめると易しいかも知れません。アクセントをフラムにして練習するのも効果的です。3拍ならフラムアクセントやスイスアーミートリプレットが適用できます。実際の曲中ではアクセント位置が常に小節アタマにあるわけではないのでスタート位置のバリエーションも練習します。練習時にはBDやHH pedalで8分4分などの基底パルスをキープで刻んでおくとポリリズム的、4Way的トレーニングにもなります。 ■ フィルインでのトリック● 8th Feel や 16th Feel 中での奇数グルーピングトリックビートの細分化パルスが8分や16分の曲中における奇数割りフレーズです。トリッキーなフィルインとして16分の3拍フレーズ=連続する16分パルスを3つごとにグルーピングしたもの、がよく使用されます。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
比較的簡単なフィルインの例パルスに使用する音価が細かくなるほど(8分よりは16分)、またフレーズの繰り返し回数が少ないほど、トリック感は薄れます。以下はどれも1小節内に収まるようなシンプルなフレーズの例です。実際の曲中で主に使われる奇数グルーピングは3拍フレーズか5拍フレーズの2つです。 ■ 3拍フレーズ、Rock的コンビネーションのフィル8分3拍フレーズ+1小節3つ割: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ 3拍フレーズ、スイスアーミートリプレットのフィル16分3拍フレーズ: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ 5拍フレーズ、フラム系のフィル16分5拍フレーズ: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
長尺のバー越え(小節跨ぎ)フレーズによる強力トリックグルーピングトリックを使った小節を跨ぐ長尺のフィルインはリズムチェンジしたような錯覚を与え非常にトリッキーです。適用音符の音価についても8分4分となるにつれ「ダウンビート、アップビートの繰り返しタイム」のスケールに近づく関係で基本ビートが崩れたような印象となります。8分4分音符単位の3拍グルーピングはバー越えになるケースも多いでしょう。 16分3拍フレーズ、3小節: Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
8分3拍フレーズ、3小節: Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
4分3拍フレーズ、4小節: Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ バー越え長尺フィルイン、Sting「The Lazarus Heart」での例Sting「Nothing Like the Sun」1曲目「The Lazarus Heart」での例です。16th Feelでの3小節に渡る16分3拍フレーズで、さらにその16分3拍を4つで一まとめとすることで12/8シャッフルパターンに錯覚させています。 ベーシックなリズムパターンは16th Feel Funkです。 「The Lazarus Heart」ベーシックパターン:
(time 2:55)で中抜きシャッフル音形のSaxフレーズに端を発した典型的なトリックプレイがみられます。16分3拍フレーズです。 「The Lazarus Heart」(time 2:55)、長尺フィルイン:
全体が16thフィールの曲中で「16分3拍」3stepを基準にさらに大きな「16分6拍=8分3拍」: 6step単位でBDとSDペアの1フレーズ、これが2回繰り返しで聞き慣れたシャッフル音形となり「8分6拍=4分3拍」: 12stepが一まとめにグルーピングされています。一見シャッフルにチェンジしてテンポも変わったように聴こえますが実は一貫した4/4拍子16分シーケンスのなかでの3小節に渡る連続3拍フレーズです。 ● 12/8 など3連系フィール中での偶数グルーピングトリックスウィング、シャッフルなどの3連系ビート自体が細かい3拍を偶数回繰り返した形(3連8分×4拍)で出来上がっている場合が多いため、1〜2小節単位(またはそれ以下)で奇数と偶数の流れの帳尻が合う例がほとんどです。したがって多くはポリリズム(複数グルーピング同時進行)的フィールをも内在しています。 4/4拍子スウィング、シャッフル系フィールでの4拍グルーピングが代表的だと思います。3連8分全12パルス上で、「3パルス×4つの4分音符」に対し「4パルス×3まとまり」のカウンターです。 Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent〕
Swing系Jazzの定番トリックフィルインの例■ 4拍フレーズ、12/8でのトリックフィルインSwing Feel、4つ割りフィル: Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
上記前半が4/4 Swingの通常パターン、後半フィルインです。大きな4拍(HH2,4)と3拍が同居しています。 ■ 4拍フレーズの中に2拍フレーズ、12/8でのトリックフィルイン4拍フレーズをさらに2つ割したトリックを加える場合もあります。 Swing Feel、4つ&2つ割りフィル: Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
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