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独特なテクニック

2003-6 , 2008-7-12更新

§ ▼手首のアップダウンテクニックシャッフル、ハーフタイムシャッフルオープンリムショットクローズドリムショットシンバルレガートブラシワークその他奏法バリエーション、ドラム編奏法バリエーション、シンバル編

ドラムセットプレイで使われるやや特殊なテクニックや奏法を解説します。

■ §1. 手首のアップダウンテクニック

HH刻みには必須の技術で基本中の基本ワザです。肘と手首を交互に使うイメージで手首の関節が上下しているように見える奏法なのでこの呼び方があります。高速のHH連打には欠かせませんが、アクセントとノンアクセントの区別にも利用します。奏法の実際ではあまり上下させる意識はせずに行うので、表面上の見た目の動きはあくまでサウンドを求めた結果だと考えておいてください。

まず片手だけでのHHショット時にオモテ拍はショルダーでエッジを、ウラ拍はチップでライドエリアをヒットし、これを高速で繰り返して連打を実現させる練習をつんでみましょう。ウラ拍を打つときにはどうしても引き上げるような動作が要求されると思います。やり込んでいくとオモテでは肘と手首、ウラでは手首と指を主に使う羽目になるとは思いますが、各部の割合は違えどオモテ、ウラとも腕全体を使う基本は意識しておきましょう。動きが自然でスムースなショットになるまで頑張って下さい。

この連続の動きがまず基本となりその応用がアップダウンテクニックになります。一連の動きはそのままにHHライドエリアのみをすべてチップでヒットしたりまた任意の拍のみエッジをヒットすることでアクセント変化を付けます。左手にもそのままあてはめてオルタネートで16分を刻むこともあれば、片手のみの高速連打でシングル16Beat (片手刻み16Beatをこう呼びます) を演奏したりもできます。HH以外でアップダウンが使われることはあまりないようです。SDなどではふつうに基本4種のストロークを駆使すればアクセントを表現できますがHHではエッジとライドエリアを頻繁に使い分けるためこの技術が必要とされます。


■ §2. シャッフルとハーフタイムシャッフル(手首アップダウン活用)

§§ ▼通常シャッフルの1例ハーフタイムシャッフルの1例

シャッフルフィールの曲演奏時には上記の「手首アップダウンを積極的に利用」しつつ跳ねさせたリズムをHHで刻んだりします。「跳ねる」とは3連符の中抜きのイメージです。ザッと図にすると、

 ●_●●_●●_●●_● …

の感じです。厳密には曲フィールにより跳ね具合 (3連符の3つ目にあたる音のタイミング) には微妙な色をつけますがマクロ的にはこのように理解しておいて問題ないでしょう。シャッフル系ではこの微妙で独特な跳ね具合を片手で表現する高度な職人技を要求されます。また具体的なプレイではスネアのゴーストノート (ごく小さいタップ音) も交えて演奏される場合が多くなってきます。一例をあげてみます。

● 通常シャッフルの1例

Step Score : Shuffle
▼ 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost Note/_=Rest〕

右手 HH Close
左手 SD
右足 BD
左足 HH AllClose
|●_○●_○●_○●_○|●_○●_○●_○●_○|…
|_◎_●_◎_◎_●_◎|_◎_●_◎_◎_●_◎|…
|●_____●_●__○|●_●_○_●_●___|…
|____________|____________|…

上記は2小節パターンの一例で細かい部分は曲ごとのフィールにより変わることになります。シャッフル系ではこのHH刻みの隙間にちょうど埋めてゆくSDゴーストが頻繁にプレイされます。譜例後半のようにBDとSDをオルタネートで刻めば簡単かつ効果的なフレーズの出来上がりです。あくまで一例ですので参考までですが私の場合上の譜例ではAccent=音量8割、Non Accent=音量5割、Ghost Note=音量2割のイメージでプレイします。

● ハーフタイムシャッフルの1例

上記シャッフルの発展型でもある「ハーフタイムシャッフル (16ビートシャッフル) 」とは跳ねて3連系となった16フィールのことをいいます。バーナードパーディやTOTOロザーナに代表される超有名パターンです。

Step Score : Helf Time Shuffle
▼ 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost Note/_=Rest〕

右手 HH Close
左手 SD
右足 BD
左足 HH AllClose
|●_○○_○●_○○_○|●_○○_○●_○○_○|…
|_◎__◎_●◎__◎_|_◎__◎_●◎__◎_|…
|●____○_____●|___●____●__○|…
|____________|____________|…

Score

この感じはダウンビート、アップビート (Funkでは通常1↓,2↑,3↓,4↑で1小節) のタイムが倍に伸びているので「テンポ半分の感じ=ハーフタイム」と呼ばれます。16ビートシャッフルの名称であることからわかるように実際は上記2小節ぶんをひとまとめに「1小節」と感じてプレイすることが多くなるでしょう。またこれとは逆にフィールが半分に縮んだ場合は「ダブルタイム」と呼ばれたりします。

このパターン、アマチュアドラマーの間では「難しい」としてよく引き合いに出されることだと思います。跳ねの感覚に慣れるまでは苦労しますが単純かつ規則的な符割をただ機械的になぞれば良いので音形的難度はかなり低いといえます。SDゴーストはルーディメンツのごく基本部分をこなせていれば全く恐れることはありません。重要なのは音形云々よりも曲フィールごとのグルーブ、バウンス感制御のほうがはるかに熟練を要するでしょう。スムーズで自然な手首アップダウン技術は欠かせません。


■ §3. オープンリムショット

ドラムセット中では圧倒的にSDでプレイされることになる特殊アクセントショットの技術です。SD以外ではティンバレスなどでも頻繁に使われます。強力なインパクトショットとしてドラマーには当たり前の基礎中の基礎ですがまったくの初心者には以外とこれがウィークポイントになるかも知れません。

この奏法ではショット時にヘッドとリムをほぼ同時にヒットしてシェルをスティックでダイレクトに鳴らすという反則とも思える方法を使います。ヘッドは普通にチップでヒット、そのときそのまま落とし込むようにリムにスティックのボディをあてます。ヘッドとリムをショットする時間差は体感では殆どありません。実際にms以下の微妙な差は生じているはずですがまず同時と思っておいて問題ないでしょう。フォームは通常のフル、ダウンストロークなどと特に変わりません。

オカズなどのフレーズ中にブチ込む場合は普通どおりヘッド中心部をヒット、同時にリムをかけてアクセントをつけます。またFunk系2,4拍バックビートで多く見られるのはやや変則で、中心からずれた直径2/3程度のヘッドやや奥をヒット、そのままスティックも手元にかなり近い部分をリムにかける奏法をとる場合があります。この場合単発強調なのでフォームはダウンストロークとほぼ同じになる場合が多いと思います。これはHR系でのバックビート処理初級編といってもよいでしょう。

さらにいろいろなプレイの実際ではヘッド上ショット場所の違い、それによるスティックあて位置変化 (これを「リムを浅くかける、深くかける」と表現します)、リムへのあて強さなどをコントロールして表現の幅を広げます。このテクニックも慣れるまでは戸惑いますが修得はけっこう容易で、わざわざ「テクニック」と呼ぶのも恥ずかしいぐらいです。簡単で強力なショット法ですので是非身につけて下さい。


■ §4. クローズドリムショット

バラードやおとなしめのアプローチでよく聞かれる「カツ」というSDの奏法です。まずスティックのお尻 (柄端部) をヘッド上に置き、そこを支点にそのまま接触させた状態で倒し込むようにショルダー部近辺でリムをヒットします。スナッピーオンであればSD全体が共鳴してとても美しい「カツ」音が得られます。(※スナッピーはオンでもオフでも使用) さらに「お尻」を置く位置によってサウンドキャラクターがコントロールできます。実際の演奏で使う頻度も非常に高い重要な奏法ですのでおぼえておきましょう。


■ §5. シンバルレガート

これはJazzで聴かれるライドシンバルピング音の刻みのことで特に具体的奏法をさす言葉ではないのですが、演奏には独特なスティックワークの技術を駆使するためじつに奥深いモノがあります。通常「お手本」とされる基礎のグリップを使用するのは希で、ほとんどが各ドラマー独自のイレギュラーグリップで演奏されているようです。フレンチグリップがさらに外側にひっくり返ったものから、親指と伸ばした残りの4指でただつまんだだけようなものまで求めるサウンドにより様々な持ち方をします。むしろ究極の「最初に欲しいサウンド在りき」であって持ち方は各自まったくの自由、ドラマーの数やフレーズの数だけグリップがあるといえるかも知れません。やはりより繊細なタッチや硬い打面からの独特なリバウンド制御を余儀なくされるために変則的なスティックワークが用いられていると思われます。

俗に「チンチキ」と呼ばれる代表格の音形は、

▼ 【4/4拍子、1step=3連8分音符】

 Ride Cym
|●__●__●__●__|… or |●__●_○●__●_○|…

といったところで特になんてことのない平凡なものです。跳ね具合も曲によって変化し、ほぼフラットで跳ねていない高速テンポものから完全に3連であるスロー系までいろいろです。ミディアムからミドルファーストのよくあるメジャーなテンポではその中間でスウィングさせることが多くなります。

しかしこのアプローチの最終目的はアンサンブルでのストレートアヘッドグルーブ (=スウィングJazz的フィールのグルーブ) を得ることですので音形から見た奏法の解釈は無意味です。譜例前半に挙げたまったくの4分音符のみでグルーブさせることも十分可能で現実にも多用します。ダイナミクスが全音均等であってもグルーブさせられます。例外的共通項として超高速テンポのレガートでフィンガー駆使のチカラ技的トリプルストロークを使う場合がよくありますがそれとてその場面で高速連打音が欲しいが為のアプローチです。もしそれがイヤならべつに4分音符のみで刻んでもいっこうに構わないと思います。

これだけに限ったことではありませんが特にレガートはほぼ100%耳で演奏する類の奏法といえるでしょう。レガート時には直感的、無意識的なコントロールが特に顕著に作用しているように思います。要求される微妙で繊細な音使いはアタマでゴチャゴチャ考えたところで到底制御不可能です。シンバルとの対話でベストを引き出してあげる作業も必要ですし、チップ音の微妙な色や輪郭、アンビエントの広がり具合、グルーブの構築など強力に耳を使います。小手先だけにこだわっていてはドライブさせることなんて絶対無理です。比較的本能の赴くままといった感覚で演奏に臨むべきだと考えます。とにかく目的のフィールを得るためにはグリップのセオリー順守など吹き飛ばすぐらいの追求を各自してみて下さい。

このように音形やグリップうんぬんでは語れないので修得のためにはひたすら名演奏を聴くことが重要です。耳を鍛える以外にレガート上達の秘訣はないともいえます。また聴き込んでいくほどレガートに決まった奏法などはないことがわかると思います。

少し逸れますが以前ルイスナッシュをあるライブハウスで拝聴したとき、ライブ終了直後にいきなり客を追い出してバンドメンバー貸し切り状態にさせてしまいました。普段はその店でそんな事態はないのでいったい何してるのかと思ったらアメリカにも希少なレコードコレクションが店にあるのを彼が発見し、たっての希望で試聴会を開いていたとのこと。美しいシンバルサウンドもJazzオタク根性によるものかと妙に納得させられてしまいました。偉大な先人に対する敬意と耳を肥やすことの大事さを痛感します。

レガートとはJazzドラマーの巨人達がそれぞれ独自に追求してきた各々のスタイルであって体系的に捉えることの出来ない職人技です。つまり自分オリジナルな両手オルタネートなんかの変態的レガートだって考えられますし、その目的どおりきっちりグルーブしていればこれはこれで当然アリです。様式美的なこだわりをもつJazzファンに反発をうけようとも気持ちよければなんでも良いのです。また、もしそれがエポックなサウンドであればたとえ素晴らしいグルーブであっても耳慣れないという理由で様式美派には拒否されるかもしれません。しかしそうやって新しい歴史は生まれるともいえます。頑張って下さい。


■ §6. ブラシワーク

特殊アイテム、ワイヤブラシでのスウィープを交えた独特の奏法です。これもシンバルレガート同様非常に奥深いテクニックですがブラシワークはこうあるべきというメソッド的なセオリーが特にある訳でもないようです。ブラシの奏法は超一流のあいだでも個人差が大きい部分で、つまるところ何でもありといえます。ごくおおまかには「スティックとほぼ同様にショットする」と「ヘッドを掃く」のふたつの奏法を使います。Jazzのスウィングを演奏する場合での例をあげると、

【例 その1】

  • 右手 ⇒ レガートを刻むようにSDヘッド上を「タッタタッ」とタップし時折擦るのも交える。
  • 左手 ⇒ SD上を「サーサー」と掃き時折タップに使う。これはシンバルアンビエントの擬似ともいえる。
  • 左バリエーション ⇒ 回転運動で掃く、左右直線往復運動で掃く、八の字その他で掃く。etc.…

【例 その2】

  • 両手でSDを掃きつつ、適宜タップ音を交える。「サー」と「タッ」を両手一体で表現。ただ掃くだけの時もある。
  • バリエーション ⇒ 回転運動と八の字複合型で掃く、直線往復運動両手交差型で掃く。etc.…

などこれでもごく一部ですが、だいたいのイメージは掴んで頂けたでしょうか。

実際のプレイは上記2例が常に交錯したりでさらに複雑になります。スウィープの回転方向も人それぞれですし、表現したいグルーブによって適宜奏法を変化させます。ブラシに関してはやはりビデオ映像や実際に目の前でプレイする姿を参考にしなければ理解は難しいでしょう。まあその体験さえしてしまえば一目瞭然ともいえますが…。私も師事した師匠から大半を盗ませて頂きましたし教則ビデオのお世話にもなりました。前述したように「独特のスウィープ技術の修得」「通常ショットにおいてはスティック同様に扱えるようにする」の2大ポイントが目標になってくると思います。

演奏現場でのブラシの出番はやはりおとなしいアプローチを求められる時が圧倒的に多くなります。また曲中での持ち替えも頻繁に行います。スローバラードやベースソロ時などが美味しい活かしどころですが当然決まりはないので各自センスで判断しましょう。

またわざわざブラシを選択するのですからスティックでは不可能なサウンドを使わない手はありません。コンセプトは「既製概念を忘れ目的の為には手段は選ばない」と「何でもありを最大限活かす」という感じでしょうか。ブラシのボディやお尻の金具を使うこともあれば、オープンリムショットもどきのバウンド奏法などもあります。ブラシに限った事ではありませんがアイデアしだいで面白いことは幾らでもできると思います。また他人のプレイを拝見して「こんな奏法があったのか」と目から鱗な体験が特に多いのがブラシに関してのテクニックだったりします。Jazz系以外にも積極的に使用して新奏法を開拓してみて下さい。

※参考:ブラシ教則本
【Ed Thigpen】The Sound of Brushes ※Book&CD。 ≫Amazon(広告)
【Ed Thigpen】The Essence of Brushes ※DVD小冊子付。


■ §7. その他の変わったテクニックや奏法

§§ ▼スティックショット貧乏ゆすりBD連打フットペダル2台同時踏み

● スティックショット

Jazz系のピックアップフィルなどで聴かれる「カッカカッ」といった異様に響くスティック打ちのことです。これはスティック片方のチップをSDヘッド上に接触させておき、もう片方のスティックでそれをショットしてスティック同士を打ち鳴らします。スティック同士の音とSDの共鳴が重なり何ともいえない抜けるスティック音がします。スナッピーはオンにしておいて下さい。クローズドリムショットの原理にかなり近い状態です。この奏法ではスティック両方が塞がるために他の通常フレーズと絡めるのは結構辛くなります。結局使いどころが難しく使用頻度も低くならざるを得ないでしょう。しかし「ここぞ」での効果は抜群なので、おぼえておいて損はないテクニックです。

● 貧乏ゆすりBD連打

これは比較的キワモノ奏法なので使わなくとも事は足りる部類ですがマスターすれば使用頻度は高いです。読んで字の如く貧乏揺すりの筋肉運動を利用してBDの高速シングルストロークを行うワザで、慣れれば16分5連打程度は軽くいけるようになります。やり方は常時ヒールアップの状態でただ貧乏揺すりをするだけ。クリックに併せて貧乏揺すりをコントロールする練習が必須なので練習中その自分のバカバカしさに幻滅することうけあいです。でもマスターすれば楽しいBD連打ライフが待っていることでしょう。ただあくまで「使えるモノは何でも使え」的キワモノ奏法なので通常ショットとは別物であるのを忘れないようにして下さい。

● フットペダル2台同時踏み

デニチェンで世に知れ渡ったキワモノ奏法その2です。これも出来れば楽といった程度で実戦でどうしても要求されることはないと思います。左足でツインペダル左と隣り合うHHペダルを同時に踏みBDとHHフットクローズ音を同時に演奏します。最近はクラーベやオクタバン、その他トリガーなどの様々なペダルセッティングが普及してきましたのでアイデア次第では新境地が拓けるかも知れません。足の裏の右半分と左半分ずつで2台踏みしたり踵とつま先でそれぞれを踏んだりとやり方もいろいろなようです。


■ §8. 奏法バリエーション、ドラム編

§§ ▼ヘッド上ショット場所の違いによる色付けヘッドのベンド奏法素手プレイリム刻みパイラ的シェルヒットシンバルスタンド刻み

固定観念に縛られないイレギュラー奏法は他にもあります。いくつか挙げてみましょう。

● ヘッド上ショット場所の違いによる色付け

タイコ演奏の基本はスウィートスポットヒットですが、あえてその違いを利用しヒット場所を様々に変えて音色変化をつけます。コンセプトはなかなか反則ぎみにも関わらず日常的にプレイされるごく当たり前の奏法です。タムやスネアの連打時にクレシェンドと併用でヘッド縁⇒中心へ移動する奏法がよく見受けられると思います。

● ヘッドのベンド奏法

ヘッドを片方の手や肘やスティックで無理矢理押さえつけた状態のままもう一方でヒットして音を出すかなりマイナーなプレイです。ヘッドテンションを強引に変えることでトーキングドラムのようなピッチ変化を得ます。元々が比較的低テンションかつ音程のハッキリする小口径タム類でよくプレイされます。SDでは当然スナッピーオフでないと効果が薄くなります。ベンド奏法の使用頻度は当然ながら低いです。

● 素手プレイ

パーカッション的に素手でヘッドを叩く奏法です。タム類ではスティックに比べどうしても抜けが悪くなるので使いどころは見た目のパフォーマンスとしてのSoloなどに限定されるでしょう。またスティックは持ったままになりますが、スネアのタップではこれは結構使える奏法でクローズドリムショットに絡めて「指」でヘッドをヒットし、より小音量なゴーストを入れるプレイもあります。

● リム刻み

HHの代用的な意味合いで各タイコのリム部分のみを「カツカツ」とヒットする奏法です。使用頻度は結構高いといえます。

● パイラ的シェルヒット

ティンバレスでのシェル本体を横から打ちつける「パイラ奏法」をまんま応用させたものです。FTで刻むのが格好良いと思われますがウッドシェルでは傷だらけになるため自分所有のメタル製SDのみで行いましょう。そういう理由で現実での使用頻度は低くなります。楽器がヘタっても惜しくないリッチマンにだけお勧めの奏法です。

● シンバルスタンド刻み

上記「パイラ奏法」をシンバルスタンドに応用したようなマニアックプレイです。単純にスタンドの支柱部分をスティックヒットしますがこれはJazz系でレガートの代用で演奏されることが多くなります。しかし同様に「傷つける」問題があるので自分所有の楽器のみで行いましょう。


■ §9. 奏法バリエーション、シンバル編

§§ ▼ピング音系クラッシュ音系チョーク奏法(ハンドミュート)カップ音音溝スウィープ奏法インスタントシズル化グッズ

ついでにシンバルの種々の奏法をいくつか挙げてみます。これも決まりがある訳ではないのでアイデア次第で無限のサウンド世界が拡がります。

● ピング音系

レガートなどの通常ショットはいうまでもないでしょう。ライドエリア内の場所による違いやタッチ、グリップなどで多様な音の追求が出来ます。チップを垂直に押し付けるようにしてアンビエントを殺しつつ「コツ、コツ」と鳴らす方法もあったりします。またロールサウンドのうちで「シンバルオープンロール」として粒立ちをハッキリさせたダブルストロークで高速ロールする場合があります。これは当然シングルストロークでもありです。既成概念にとらわれない多彩なシンバルワークを各自研究してみて下さい。

● クラッシュ音系

エッジを斜めにショルダーでヒットして得るのがポピュラーなクラッシュ奏法です。このヒット法を高速連打で繰り返すのが単にシンバルロールと呼ばれるクローズドシンバルロールです。滑らかさの求められるクレシェンド系アプローチでは王道で必須の技術といえます。HHハーフオープンでのクローズドシンバルロールは音価もコントロール可能な優れ技です。

やや変わり種ですがエッジヒットで結構多用するのは垂直にスティックボディをあてて「コキーン」という音を得る奏法です。バラードなどでの単発アクセントでは重宝しますしこのショットだけでフレーズやパターンを組み立てるのも効果的でよく使用されます。またシンバル破壊覚悟で行われるリバースショットもあります。これは下方から打ち上げるクラッシュヒットでノーマルショットとの高速交互打ちは非常に強力なパフォーマンスです。しかし自分所有楽器以外では絶対に止めておきましょう。

● チョーク奏法(ハンドミュート)

HR系単発アクセントなどで多用される「クラッシュ直後即ミュート」、いわゆるシンバルのチョークも効果的で強力です。ミュートは手でシンバルエッジを直接つまむように押さえます。この直接ハンドミュートはJazzのHHレガート「シャーツッツ、シャーツッツ」でのオープン音音価コントロールに使われたりもします。ちなみに演奏後は付着してしまった皮脂を拭き取っておくことも忘れないようにしましょう。放っておくと指紋の柄で錆びてしまい結構格好悪いです。

● カップ音

「カーン」というシンバルカップ(ベル)ヒットもなかなかに使えるサウンドです。チップで普通にヒット、もしくは大音量要求時にボディやショルダーでのヒットが一般的です。HHエッジとチップ音の使い分けと同様のコンセプトでカップとライドエリアをアクセント、ノンアクセントに見立ててフレーズ組み立てを行ったりします。これはRCのサウンドバリエーションとしては定番でしょう。またベル使用はHHでも当然いけますがやはりエフェクティブなサウンドになってしまう為、これでのアプローチには勇気とセンスがいります。

● 音溝スウィープ奏法

これはピアニシモ時の特殊エフェクト技です。ワイヤブラシのお尻の金具などでシンバル中央部カップ脇から外側に向かって表面を直線上にサッと撫でます。当然音溝のないタイプのシンバルでは演奏不能。「シャインッ」というベルチャイムをごく短くしたような美しいサウンドが得られます。このときシンバルを傷つけない為にもすべてのエネルギーを音に変換するつもりで優しく軽やかに撫でるのがコツです。ブラシの「お尻の金具」はカップヒットやピング音にも使えて非常に重宝するのですが最近のナイロンブラシなんかではこれがついてないモデルも多く寂しい限りです。

● インスタントシズル化グッズ

これは奏法の類ではありません。「シズルシンバル」というリベットを打ち込んだ余韻の長い特殊シンバルを簡単にシミュレートできるアイデア技です。DIYショップで売られている「洗面台の栓のための鎖」を適宜加工してシンバルスタンドへの取り付け部からシンバル表面に垂らすだけの簡単便利細工です。通常シズルサウンド得るにはそれ専用にシズルシンバルを用意しなくてはなりませんが、この便利技は手持ちのシンバルすべてにシズルオプションを適用できるというバリエーション倍増&経済的な革命的アイデアといえるでしょう。1ステージ中ただ1曲だけシズルサウンドが欲しい場合での追加セッティングがなくなるのはかなりのメリットです。注意点は演奏中シンバルの振動で中央のフェルトに巻き付いてしまう現象が起こるのでガムで根元固定など適宜対応が必要です。


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