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ルーディメンツの応用

2003-6 , 2008-7-12更新

§ ▼ルーディメンツの分類ロール系解説パラディドル系解説フラム系解説ラフ系解説

ルーディメントの分類、奏法の簡単な解説、さらにセットでの初歩的な応用について考えていきます。ルーディメンツは手順に重きを置いて明示したリックですので、それを適用する音符やスタート位置のバリエーションは多様であることを常に念頭において臨みましょう。応用として示してあるものはほんの一例ですからこれにとらわれ過ぎることのないよう各自センスを発揮してルーディメンツを役立てて下さい。ここではまったくの私見で話を展開していますが有名なアランドーソンなど (残念ながら私は不勉強なもので拝見できておりません) 、その他先進的なメソッドも色々あるようなのでぜひチェックしてみることをお薦めします。

※参考 : 水野オサミ氏サイト( home.att.ne.jp/delta/osami/ )にアランドーソンメソッドの概要( home.att.ne.jp/delta/osami/method.html )と一部( home.att.ne.jp/delta/osami/modr.html )が掲載されているようです。
≫Amazon(広告)アランドーソンメソッドVol.1,Vol.2


■ §1. ルーディメンツの分類

§§ ▼【ロール系】 15種【パラディドル系】 4種【フラム系】 11種【ラフ系】 10種

PASに準じるカタチで「PAS International Drum Rudiments」40種を分かり易く分類してみます。譜例はここでは省略しますのでこちらのスコア画像入りページを表示しつつ確認してみて下さい。

※先頭の数字とアルファベットは便宜上当サイトで独自に付けてあるナンバー(n=NARD, p=PAS、個人的覚え書きの意味合い)。

● 1-1. 【ロール系】 15種

(オープン)ダブルストロークタイプ

  • n2.The Five Stroke Roll 「5ストロークロール」
  • p5.The Six Stroke Roll 「6ストロークロール」
  • n3.The Seven Stroke Roll 「7ストロークロール」
  • n15.The Nine Stroke Roll 「9ストロークロール」
  • n16.The Ten Stroke Roll 「10ストロークロール」
  • n17.The Eleven Stroke Roll 「11ストロークロール」
  • n18.The Thirteen Stroke Roll 「13ストロークロール」
  • n19.The Fifteen Stroke Roll 「15ストロークロール」
  • p6.The Seventeen Stroke Roll 「17ストロークロール」
  • n1.The Long Roll 「ダブルストロークロール」

シングルストロークタイプ

  • p1.The Single Stroke Four 「シングルストローク4」
  • p2.The Single Stroke Seven 「シングルストローク7」
  • n14.The Single Stroke Roll 「シングルストロークロール」

トリプルストロークタイプ

  • p4.The Triple Stroke Roll 「トリプルストロークロール」

クローズドロールタイプ

  • p3.The Multiple Bounce Roll 「クローズドロール」

● 1-2. 【パラディドル系】 4種 (複合型はフラム系、ラフ系に分類)

パラ部順次追加、ディドル部順次追加型

  • n21.The Single Paradiddle 「シングルパラディドル」
  • n11.The Double Paradiddle 「ダブルパラディドル」
  • p7.The Triple Paradiddle 「トリプルパラディドル」
  • p8.The Single Paradiddle-diddle 「シングルパラディドルディドル」

● 1-3. 【フラム系】 11種

基本タイプ(タップ音順次追加型)

  • n4.The Flam 「フラム」
  • n20.The Flam Tap 「フラムタップ」
  • n5.The Flam Accent 「フラムアクセント」
  • n6.The Flam Paradiddle 「フラムパラディドル」
  • n24.The Flam Paradiddle-diddle 「フラムパラディドルディドル」

フラマキュータイプ

  • n7.The Flamacue 「フラマキュー」
  • p10.The Pataflafla 「パタフラフラ」

フラムアクセント変形、ドラッグ複合タイプ

  • p13.The Flam Drag 「フラムドラッグ」

手順違い類似タイプ

  • p12.The Inverted Flam Tap 「インバーテッドフラムタップ」
  • p11.The Swiss Army Triplet 「スイスアーミートリプレット」
  • p9.The Single Flammed Mill 「シングルフラムドミル」

● 1-4. 【ラフ系】 10種

基本タイプ(タップ音順次追加、ドラッグ部順次追加型)

  • n8.The Ruff (The Drag , Half Drag) 「ラフ、ドラッグ、ハーフドラッグ」
  • n9.The Single Drag (Single Drag Tap) 「シングルドラッグ、シングルドラッグタップ」
  • n10.The Double Drag (Double Drag Tap) 「ダブルドラッグ、ダブルドラッグタップ」
  • n25.Lesson #25 (Rat-a-tap) 「レッスン25」

ラタマキュータイプ、ドラッグ部順次追加型

  • n12.The Single Ratamacue 「シングルラタマキュー」
  • n26.The Double Ratamacue 「ダブルラタマキュー」
  • n13.The Triple Ratamacue 「トリプルラタマキュー」

ディドルタイプ、ドラッグ部順次追加型

  • p14.The Single Dragadiddle 「シングルドラガディドル」
  • n22.The Drag Paradiddle #1 「ドラッグパラディドルNo.1」
  • n23.The Drag Paradiddle #2 「ドラッグパラディドルNo.2」

■ §2. ロール系ルーディメンツの解説と応用

§§ ▼ダブルストロークタイプシングルストロークタイプトリプルストロークタイプクローズドロールタイプ

ロール系、重要なルーディメンツ解説。

● 2-1. ダブルストロークタイプ

n2.The Five Stroke Roll 「5ストロークロール」 ≫MIDI

5 Stroke Roll Score

ロール4打+アクセント1打。アクセントを除くロール音打数が「偶数×2」のタイプのうち最もシンプルで基本なものが「5 Stroke Roll」です。繰り返し連続プレイ時には左右交互スタートの手順となります。これと同系のものが 「9 Stroke Roll」 ≫MIDI 、 「13 Stroke Roll」 ≫MIDI 、 「17 Stroke Roll 」≫MIDI で、ロール音打数が順次増えてゆきます。

ロール系のダブルは32分レベルの高速で使用されます。またアクセントの区別も非常に重要です。ロール部はノンアクセントできれいに粒が揃うようになるまでゆっくりから確実に練習しましょう。この5ストロークロールはオルタネート16分3連打のうちの2打が32分ダブルに置き替わったカタチと捉えればプレイしやすいと思います。ドラムセットへの応用時もこのコンセプトで行われることが多くなり特にHHワークなどでは手軽で重宝するアプローチです。たとえばスネアやHHでの連打中、任意の16分を単純に32分ダブルに置き換えることでフレーズに色を加えたりします。この応用は他のロール系でも同様ですがなかでも5ストロークロールは圧倒的に使用頻度が高いといえるでしょう。またフレーズそのものの応用としても「HH32分ダブル⇒BD32分ダブル⇒SDアクセント1発」とかのパーツ振り分けなど多種多様な歌い方が考えられます。

ロール系ルーディメンツは、その音形を流用するというよりダブルストロークを自在に駆使してドラムを歌わせる為の予備練習と考えていいかもしれません。

n3.The Seven Stroke Roll 「7ストロークロール」 ≫MIDI

7 Stroke Roll Score

ロール6打+アクセント1打。ロール音打数が「奇数×2」のタイプです。連続プレイ時のスタート手順はどちらか一定になります。同系のものは 「11 Stroke Roll」 ≫MIDI 、 「15 Stroke Roll」 ≫MIDI 。7ストロークロールは16分4連打の3つぶんがダブルに変化したものと考えれば分かり易いでしょう。またロール部は6連でとったり32分でとったりできます。「5 Stroke Roll」同様いろいろな使い方ができる重要なルーディメントです。

p5.The Six Stroke Roll 「6ストロークロール」 ≫MIDI

6 Stroke Roll Score

アクセント主音が二打連続するタイプです。6連だけでなく他同様16分と32分にとることもできます。同系は 「10 Stroke Roll」 ≫MIDI で、これはスタート位置もずらしてあります。このタイプはフレーズそのものをセットにあてはめるだけでも結構気の利いた音列ができあがります。モータウンピックアップと呼ばれるフィル前半部は6 Stroke Rollそのままですし、BDダブルを交えてのパーツ振り分けなどはSoloフレーズにもすぐ適用という非常に使用頻度の高い美味しいルーディメントです。じつは「(ディレイド)シングルパラディドルディドル」が全く同じ手順になっています。

n1.The Long Roll 「ダブルストロークロール」 ≫MIDI

Long Roll Score

これは説明するまでもないでしょう(奏法解説、サイト内「基本的奏法」ページ)。問答無用でマスターする必要があります。やはり簡単に出来るコツなどは見当たりません。粒が揃うようにひたすら「2回打て」です。さまざまな音量、テンポ、また3連符にあてはめてみる、スタート位置をずらす、左スタートなどあらゆる練習が考えられます。習熟してくればシングル、ダブルともにほぼ同じスピード、出音でプレイ出来るようになるはずです。実用は少なくとも32分でテンポ100以上ないと辛いでしょう。セットへの応用としてはフレーズまんまの使用法は見当たらないように思いますが、チップでのシンバルロールなんかではなにげに使っていたりします。

● 2-2. シングルストロークタイプ

p1.The Single Stroke Four 「シングルストローク4」 ≫MIDI

Single Stroke 4 Score

一見単純なシングルのオルタネート4打ですが、そのじつはダブルを重ね合わせてプレイし高速を実現するフレーズです。セットでの使用頻度も非常に高く「目から鱗」的な実用ルーディメンツといえます。セットで各音をパーツに振り分けて使用すると効果的。スティーブガッドなどがよくやっていますのでこのリックを知らなくても知らず知らずのうちに誰もが使っているとは思いますが…。さらに発展させトリプル重ねのコンセプト+(アクセント)1打が 「Single Stroke 7」 ≫MIDI です。おまけですが「Single Stroke 4」の前3打をダブルにすると 「7 Stroke Roll」 ≫MIDI と解釈出来たりします。

n14.The Single Stroke Roll 「シングルストロークロール」 ≫MIDI

Single Stroke Roll Score

ダブルストローク同様最も重要なものです。ある意味、極めるには最高難度であるといえます。私には到底無理ですが、逆にこれを極め尽くせば残りのルーディメンツなど取るに足らないレベルとなるでしょう。32分でテンポ200を目指してみましょう。

● 2-3. トリプルストロークタイプ

p4.The Triple Stroke Roll 「トリプルストロークロール」 ≫MIDI

Triple Stroke Roll Score

単純な3つ打ちも練習しておきましょう。3つ打ちは多くのルーディメンツフレーズのなかで頻繁に使用されます。同様に4つ打ちも出てきますので要練習です。練習法はダブルの延長と考えて素直に数を増やしていけば良いと思います。最近流行のモーラーもありますがそれにこだわらずとも単純に数打つ練習をしていれば各自オリジナルのモーラーテクニックと同等の技術が自然と体現できることになると思います。

● 2-4. クローズドロールタイプ

p3.The Multiple Bounce Roll 「クローズドロール」 ≫MIDI

Multiple Bounce Roll Score

ルーディメンツでは他に使われることのないクローズドロール(奏法解説、サイト内「基本的奏法」ページ)ですが、プレイ中単体で使用することは結構あります。言わずもがなブレイキーのナイアガラロールなどが代表的。色付けにテンポフリーの一連のデクレシェンドフレーズなどのケツで短く使用したりもします。


■ §3. パラディドル系ルーディメンツの解説と応用

§§ ▼パラ部順次追加、ディドル部順次追加型

パラディドル系、重要なルーディメンツ解説。

● 3-1. パラ部順次追加、ディドル部順次追加型

n21.The Single Paradiddle 「シングルパラディドル」 ≫MIDI

Single Paradiddle Score

シングルストロークオルタネート2打とダブルストロークが交互に組み合わされたフレーズです。すでに手順そのものが歌っているので使用頻度は極めて高く、ドラムセットプレイではごくあたりまえに使う音形のひとつです。トレーニングとしてスネア単体でプレイする場合は手順を隠すようにアクセントの違いのみを明確に表現し、ノンアクセント部分の粒をきれいに揃えることが重要になります。ここでのダブルは比較的低速なのですがシングルもダブルも同じ16分扱いとなるため高速で粒を揃えられるようになるまでにはかなりの練習を必要とします。より高度な段階としてすべてをノンアクセントでプレイ(Paradiddle Roll)する練習も積んでみましょう。

また「12/8 : | R l r r L r l l R l r r | L r l l R l r r L r l l | … (Para-tripletsと呼ぶ)」のようにあえて6/8に組み込んで連続プレイすることでポリリズミックなフィールのトレーニングにも使えます。

スタート位置の違いによりノーマル(シングル)、インワード、リバース、ディレイドの呼び名があり、この順でエンドレスに連続してプレイすると効果的なウォームアップもできます。セットへの応用では左右をそのままふたつのパーツへ振り分けるだけでも美味しいフレーズを得られます。実際には上記4種の分解組み合わせなど複雑な使用がされていますが、それはあくまでも曲にフィットした演奏を無意識に求めたための結果だと思われます。パズル的なことはあまり意識しないで曲のメロやアクセントに沿うような自在なアプローチをするためのツールと考えておけば良いと思います。

n11.The Double Paradiddle 「ダブルパラディドル」 ≫MIDI

Double Paradiddle Score

6連系対応のためのパラディドルです。右手順がほぼまんまアフロキューバンクラーベになっているのでそれ系の演奏で頻繁に活用できます。また、バーナードパーディやジェフポーカロがハーフタイムシャッフルでよく使うフィルがこの手順で、SDとTTにうまく振り分けて使用していたりします。技術的にはシングルパラディドルが完成していれば問題なくプレイ出来るでしょう。ドラムセットへの応用面で重要なルーディメントです。シングルパラディドル同様、あえて4/4の16分でこれを連続プレイすれば簡単にポリリズミックでトリッキーなフレーズを得られます。


■ §4. フラム系ルーディメンツの解説と応用

§§ ▼基本タイプ(タップ音順次追加型)フラマキュータイプ手順違い類似タイプ

フラム系、重要なルーディメンツ解説。

● 4-1. 基本タイプ(タップ音順次追加型)

n4.The Flam 「フラム」 ≫MIDI

Flam Score

本音符に前打音(装飾音)が1打添えられる「ダラ」というフレーズがフラムと呼ばれます。本音符(アクセント)はハイポジション、前打音(ノンアクセント)はローポジションのレディー位置からほぼ同時に振り下ろしその時間差を利用するというやや特殊なショット法でこれを表現します。セットへの応用時には同じフラムの音形でも前打音を完全32分や16分に解釈するなど多様な奏法をとりますがこのフラム独特の基本ショットも比較的多く使用するので必ずマスターしておきましょう。また応用時にパーツ振り分けをするときにはフラムの概念にとらわれず本音符と前打音をまったく同タイミングで演奏する場合がでてきます。この同時ショットのことを特に「ダブルストップ」と呼んでいるようです。

「よりフラム的」解釈の応用では「口で歌うようにフレーズを叩く」系のアプローチで欲しいここ一発にフラムを用い表情のあるサウンドを得る、といった使い方ができます。これは一見地味なようですが効果絶大。達人レベルではごく自然に行われていると思います。またダブルストップや「2 Stroke Roll」的解釈でのアプローチでは前打音を装飾扱いしない場合も多くダイナミクスやタイミングも欲しい音に合わせて自由に変化させます。実際のプレイでのこの各種「同時2打」は頻繁に行われる強力奏法であることをおぼえておくと良いでしょう。

n20.The Flam Tap 「フラムタップ」 ≫MIDI

Flam Tap Score

タップ音がひとつ追加のフラムです。ショットが強⇒弱順のトリプルストローク使用となるので他のタップ音追加タイプに比べ難度はやや高くなります。しかし慣れてくればかなりの高速でプレイすることが可能です。セット中では無意識のうちに汎用しているフレーズのひとつでしょう。フラム部とタップ音を逆にしたリバース音形には「Tap Flam」の名称があります。なおフラムタップが跳ねてシャッフルフィールとなっているモノを Flam Accent #2「フラムアクセント No2」と呼びます。

n5.The Flam Accent 「フラムアクセント」 ≫MIDI

Flam Accent Score

タップ音2つ追加のものです。3連符のアタマがフラムになったと解釈すればよいでしょう。セットへの応用は同じ音形であるp11.The Swiss Army Triplet「スイスアーミートリプレット」 ≫MIDI の方が断然多くなりこちらの使用頻度は少ないといえます。マーチングやミディアムセカンドラインのフィールを得るならばフラムアクセントの方が若干有利かも知れません。フラムタップと同じく、応用というほどのレベルではありませんがよく聴くとこの音形になってしまっているドラムフレーズはかなり多いと思います。

なお、上記「フラムアクセント No2」に対しこちらを Flam Accent #1「フラムアクセント No1」と呼ぶことがあります。さらに「フラムアクセント」の2打目をダブルにしたものがp13.The Flam Drag 「フラムドラッグ」 ≫MIDI です。

n6.The Flam Paradiddle 「フラムパラディドル」 ≫MIDI

Flam Paradiddle Score

タップ音3つ追加、シングルパラディドル ≫MIDI のアタマがフラムになったものです。さりげに4つ打ちを使用しているため難易度は高いですがパラディドルで馴染みのフレーズなだけに耳慣れは早いと思います。応用もシングルパラディドル使用時にフラム音を追加したいときこちらを適用させれば良いでしょう。フラムパラディドルまんまの手順では高速プレイに難があるので実際の演奏でこれを連続使用する機会は少ないと思います。また音形がこれと類似のルーディメントでは後述Single Flammed Mill ≫MIDI や、オルタネート16分「R , l , r , l , R , l , r , l …」のアタマをフラムにした「lR , l , r , l , lR , l , r , l …」 (フラムシングルストロークと呼ぶべきか?) も想定できます。


上記これら4種の基本型フラムは連続で演奏しそのままチェンジアップに使うと強力なトレーニングになります。Flam⇒Flam Tap⇒Flam Accent⇒Flam Paradiddleを通常のチェンジアップ同様に同じテンポのなかで変化させる練習をしてみましょう。私は演奏前のウォームアップによく使っています。

● 4-2. フラマキュータイプ

n7.The Flamacue 「フラマキュー」 ≫MIDI

Flamacue Score

ラタマキューとは似て非なる、どちらかといえばアウトサイダー的ルーディメントです。アクセントが何故か二打目にあるので技術的には難しくなり耳で慣れるまでは辛いかも知れません。これだけで独特の音形が出来上がっているためにフレーズつなぎやオカズなどでそのまま使用したりできます。ラテン系フィルで6とか5連に訛らせてティンバレス的にぶち込むと面白いです。私はついネタ切れ時の緊急避難的使用が多くて何だかネガティブなのですが…センス溢れる諸氏はさらにいろいろと発展させてみて下さい。また手順だけみれば前半部の「 lR , L , R , L 」部分のみ繰り返しで前述の似非ルーディメント「フラムシングルストローク」といったところです。

p10.The Pataflafla 「パタフラフラ」 ≫MIDI

Pataflafla Score

フラム追加連続フラマキューといった感じのルーディメントですが手順が似ているだけで、聞こえのフレーズはアクセント位置が違っているためかなり変わります。むしろフラムパラディドル ≫MIDI に近いと言った方がいいかも知れません。6ストロークロール ≫MIDI のような二打連続アクセントをフラムで欲しい場合にはこれが使えたりします。また6ストロークロールのアクセント部をフラム化して「パパタタフラフラ」もしくは「フラムフラム6ストロークロール」ともいうべき「 lR , L , L , R , R , rL 」とすれば6連系アプローチが可能になるでしょう。

● 4-3. 手順違い類似タイプ

p12.The Inverted Flam Tap 「インバーテッドフラムタップ」 ≫MIDI

Inverted Flam Tap Score

n20.The Flam Tap「フラムタップ」 ≫MIDI の手順違いです。ニュアンスの違いを得るために2打目にあたるタップ音の手順が逆になっています。こちらは弱⇒強順のトリプルストロークで難易度はかなり高いので基礎固めの練習に使えると思います。手順が生理的に馴染みにくいのでこれを敢えてセットに適用しようという例はすぐには思い当たりませんが所詮はフラムの一形態なので無意識に各所で使っていたりするかも知れません。アクセントの表情のバリエーションが拡がるのでコースタイルでは多分非常に有益なルーディメントなのだと思います。

p11.The Swiss Army Triplet 「スイスアーミートリプレット」 ≫MIDI

Swiss Army Triplet Score

n5.The Flam Accent「フラムアクセント」 ≫MIDIの手順違い。これはドラマーにとって必要不可欠な超強力アイテムです。スピード追求目的の手順となっていてこちらの方が桁違いに高速なプレイが可能。単純なダブルストロークの交錯でできているので修得も容易でしょう。さらには連続時のスタート手順が入れ替わらないため利き手を重点活用できるゴリ押しルーディメントです。これまんまでのタムまわしなど使用頻度は最高クラス。その高速を活かして3連系への使用より16分3拍フレーズへの適用が多くみられます。装飾部のダブルストップ型と32分や3連はめ込み型の両方を確実にコントロールできるよう練習を積んでおきましょう。ちなみに私はLの装飾音を主音の後ろ側に移動させRLRL手順としたスイスアーミー/シングルストローク4ともいえる方言をよく使います。

p9.The Single Flammed Mill 「シングルフラムドミル」 ≫MIDI

Single Flammed Mill Score

n6.The Flam Paradiddle「フラムパラディドル」 ≫MIDI 別Verでこれはリバースパラディドル音形のアタマがフラムになったものです。これもスピード追求型でかなりの高速化を実現できると思います。アクセント位置はリバースパラディドルとは違いアタマとなっていますが連続2連打までしか登場しないという負荷の軽さを誇ります。フラムパラディドルタイプではこのシングルフラムドミルが圧倒的にお薦めなのですが私の場合慣れの問題で「フラムパラディドル」そのままを使うことが多いです。この音形自体を実戦で連続長時間プレイする機会が少ないからかも知れません。コンビネーション系への応用では各種バリエーションの差が効いてくることでしょう。またインワードパラディドルのフラム型はFlam Drag ≫MIDIをイーブン16分に当てはめたものになります。


■ §5. ラフ系ルーディメンツの解説と応用

§§ ▼基本タイプ(タップ音順次追加、ドラッグ部順次追加型)ラタマキュータイプ、ドラッグ部順次追加型ディドルタイプ、ドラッグ部順次追加型

ラフ系、重要なルーディメンツ解説。

● 5-1. 基本タイプ(タップ音順次追加、ドラッグ部順次追加型)

n8.The Ruff (The Drag , Half Drag) 「ラフ、ドラッグ、ハーフドラッグ」 ≫MIDI

Ruff Score

本音符に前打音(装飾音)2打以上のものの総称をラフ系、そのうち前打音(装飾音)2打の基本形を単にラフ(3ストロークラフ)またはドラッグと呼びます。フラム系に比べラフ系ルーディメンツでは前打音を完全32分扱いすることが多くなるようです。単純に「3ストロークロール」と解釈しても構わないと思います。ドラッグ系は技術的にそれほどの問題はないでしょう、フレーズを歌えるようになれば易々とモノにできるはずです。セットでのプレイですが、Dragの応用と口に出すのもはばかられる程メジャーなフレーズにBDダブル+SDの王道コンビネーションがあります。またことあるごとにこの2打装飾音をSDで入れてしまう美味しい&ややマンネリな使用方法がありますが色づけには強力な手癖なのでやはり外せません。遠慮せずどんどん使いましょう。

n9.The Single Drag (Single Drag Tap) 「シングルドラッグ、シングルドラッグタップ」 ≫MIDI

Single Drag Score

タップ音1打追加のものです。ドラッグ系の場合はドラッグの本音符でない位置にアクセントがくることに注意です。これも敢えてSingle Dragを意識せずとも数多くプレイしてしまっている重要フレーズといえるでしょう。リバースの「Tap Drag」とした上で、メインノート(主音とタップ音)を跳ねた3連で意識してさらにアクセント音をフラム化したものがp13.The Flam Drag「フラムドラッグ」 ≫MIDIです。

n10.The Double Drag (Double Drag Tap) 「ダブルドラッグ、ダブルドラッグタップ」 ≫MIDI

Double Drag Score

シングルドラッグに「ドラッグ部」が1つ追加されたものです。全体が3連系のフィールを持つぶんやや理解は難しくなります。このままのカタチである装飾32分メインノート三連符を意識しての応用よりも、装飾を細分化3連の2,3位置と解釈する場合が圧倒的に増えるでしょう。音形は違いますがこのDouble Dragはn22.The Drag Paradiddle #1「ドラッグパラディドルNo.1」 ≫MIDI とまったく同じ手順となっています。パズル的で面白いので少し解説してみましょう。

まず3/4拍子で一拍を3連8分音符で3つに細分化したビートを想定します。Double Dragの手順のみに注目して一部メインノートの音価を変え、下図のようなフレーズにしてみます。

■■■ Step Score
▼ 【3/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=装飾音(Ghost)/_=Rest〕

SD
手順
 
Click
…◎◎|○__◎◎○●◎◎|○__◎◎○●◎◎|…
…左左|右__左左右左右右|左__右右左右左左|…
 
…__|●__●__●__|●__●__●__|…

ちなみにこのフレーズ自体もセットでの応用のし甲斐のある美味しいものです。パーツ振り分けのコンビネーション系が効果的だと思います。さて、同じ3/4拍子で今度は一拍を16分音符で4つに細分化させたものに当てはめて、さらに符割を若干変化させてみます。

■■■ Step Score
▼ 【3/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=装飾音(Ghost)/_=Rest〕

SD
手順
 
Click
…◎_◎_|○_◎◎○_●_◎_◎_|○_◎◎○_●_◎_◎_|…
…左_左_|右_左左右_左_右_右_|左_右右左_右_左_左_|…
 
…●___|●___●___●___|●___●___●___|…

アクセント処理は違いますが、手順はまさにドラッグパラディドルNo.1です。


n25.Lesson #25 (Rat-a-tap) 「レッスン25」 ≫MIDI

Lesson25 Score

タップ音2打追加ドラッグです。「シングルドラッグダブルタップ」ともいえます。巷に溢れているこの音形まんまのフィルイン「ッッタカトン」はもはや説明不要でしょう。あまりにもポピュラーなスーパー実戦級ルーディメントです。まったくの初心者の方はこのフレーズあたりからマスターしてみましょう。また装飾音部にアクセントを置き、さらにその装飾音一打目をフラムにしたものが「Contemporary Hybrid Drum Rudiments」にある「Cheese(チーズ)」。

● 5-2. ラタマキュータイプ、ドラッグ部順次追加型

n12.The Single Ratamacue 「シングルラタマキュー」 ≫MIDI

Single Ratamacue Score

タップ音3打追加、「シングルドラッグトリプルタップ」もしくは「ドラッグシングルストローク4」ともいえるコースタイルの匂いが濃厚なルーディメントです。二拍子系で連続プレイすればこてこてのマーチングフレーズとなります。水戸黄門のテーマやボレロの歌いまわしにも近いので耳で納得できればすぐモノにできるでしょう。音形的にはシングルドラッグタップのメインノート1つが3つに細分化されたものと考えればプレイしやすいと思います。シングルストローク4的使用はもちろん、アクセント音から始めるリバース型は6ストロークロール ≫MIDI のフィールにも近いのでそれと同じような応用ができます。またアクセントをBD、手前のタップ音3つをタムに振り分けのコンビネーションとすればブレイクへと続くストップ系のフィルとしてそのまま使えます。

n26.The Double Ratamacue 「ダブルラタマキュー」 ≫MIDI

Double Ratamacue Score

ドラッグ部追加のラタマキューです。ダブルドラッグタップ ≫MIDI のメインノート1つが3つに細分化されたものと考えましょう。技術的に難しくはないのでやはり音形に耳が慣れるまでの勝負です。これもシングルラタマキュー同様ストップ系フィルではそのまま応用できると思います。

● 5-3. ディドルタイプ、ドラッグ部順次追加型

p14.The Single Dragadiddle 「シングルドラガディドル」 ≫MIDI

Single Dragadiddle Score

シングルパラディドル ≫MIDI のアタマがダブルになったものです。ダブル部にアクセントがくるやや特殊なものですが難易度は低い方だと思います。パラディドル同様4種のバリエーションも練習してみましょう。パラトリプレット的使用ではフラメンコにすぐ応用できると思います。割とポピュラーなリズムである「アレグリアス」パターン後半部などはパラトリプレットスリップのアクセントでそのまま適用できてしまう場合があるでしょう。また、この音形パターンと同じくアタマのみがダブルになった「ダブルドラガディドル」も想定できます。

n22.The Drag Paradiddle #1 「ドラッグパラディドルNo.1」 ≫MIDI

Drag Paradiddle1 Score

これはもうスパニッシュの匂いがプンプンです。そのまま当てはめるだけでもそれらしい応用ができることと思います。音形はダブルパラディドル ≫MIDI の2打目が32ダブルになったと思えばよいでしょう。これ単独での意識的な適用はやはりスパニッシュ系になってしまいます。ただ生粋のフラメンコへの応用では西洋RockやJazzでみられる均等6連割りとは微妙にフィールが違うため注意が必要です。セットへの応用では特にスパニッシュ限らずロングフィルやSoloなどでよく使用します。ドラッグ音形独特のフィールが聴かせどころなので実際には連続ドラッグ部が増えた「ドラッグパラディドルNo.2」 ≫MIDI や「トリプルラタマキュー」 ≫MIDI などがさらによく用いられます。このような場合フレーズは各種入り乱れて切り張りとすることも多いので特に単独ルーディメント音形は意識しなくていいかもしれません。あまりこだわり過ぎないで任意のタイミングでドラッグ部分を入れられるよう練習しておきましょう。


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