● リズムパターン例 ●
§ ▼8th Feel ▼16th Feel ▼6/8 R&B ▼Shuffle ▼Half Time Shuffle ▼Swing リズムはドラムが最初に決定しているのではなく曲に沿ったリズムを補強している側なのがドラムです。「リズムパターン」とは繰り返し刻み時の補強用アクセント位置ガイドです。符例も一字一句が絶対ではありません。パターンの練習は基礎のショット技術がある程度固まってきてから取り組むといいでしょう。 ※「Step表記(手順や強弱も明示)」はこのサイト独自ローカルなもので一般的なものではありません。※掲載MIDIファイルはダウンロード保存推奨、DAWなどで開きベロシティ等研究してみて下さい。 ■ 8th Feel Funk (エイトビート)§§ ▼エイトビート基本 ▼フロア刻み ▼ハット4分刻み ▼オールディーズ ▼SD4発 ▼ツーバス連打 ▼シェイク ● 8th Feel Funk 基本パターン≫ Example MIDI File 「rgmd01exp018th128.mid」 (SMF0, GM, Tempo128, 3.14KB) Step表記、8th feel 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
ロック系で多くみられる日本語訳「エイトビート」です。8分のタイミングを骨格としているファンクフィール (2,4拍強調)なのでこう呼びます。右手はHHまたはRC、左手はSD2,4拍をプレイするのが一般的です。右手でHHを刻む場合、腕は交差になりますが慣れれば問題ありません。また左右反対の右手SD左手HHでも構いません。 SDは2,4拍位置を常時キープ、対しBDを入れる位置は曲次第でベースラインなどに追従して変化します。 Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
SDのバックビート(2,4拍)はつねにセミアクセントショットといって良いでしょう。Rockでは多くの場合2,4拍にすべてオープンリムショット (ヘッドとリムの同時打ち) を使います。 HH刻みでは交互の強弱を表現するため手首のアップダウン奏法がよく使われます。アクセントは普通にHHエッジをスティックショルダーでヒット、ノンアクセントは手首関節部をやや上方に引き上げつつHH表面をスティックチップでヒット、の交互繰り返しです。 Rock系エイトビートにおける楽曲補強 (オーケストレーション) のおおまかなセオリーとしては、
です。 エイトビートを骨格として持つ曲(または曲中パート)は、HHを4分や16分で刻んでいてもエイトビートです。Deep Purple「Smoke on the Water」イントロはエイトビートです。刻みパルスの表面上の音形ではなくメロラインやアレンジのアクセント位置に起因してフィールは決まります。 ※演奏とは関係ない余談: 業界方言では、8分音符や4分音符でHHを刻み演奏することを「8分でハットを切る」「4分でハットを切る」などとも言います。何故か16分は切るとはあまり言わず16を刻むです。RCも刻むです。Fill-inは「フィル」「おかず」と言います。単音Tuttiは「キメ」、連符Tuttiは「ユニゾン(注:やや間違い)」、無音部は「ブレイク」、アンティシペーションは「食い」や「シンコペーション(注:間違い)」、複数TT連打を「タムをまわす」、6/8や12/8でも「ハチロク」や「ロクハチ」、採譜やコピーを「音を採る」、16ビートは「じゅうろくビート」、テンポ一定でせわしくつっこむ感じを「前ノリ」、テンポ一定で後ろにゆったり引っ張る感じを「あとノリ」「ビートが重い」、技量不足でテンポが揺らぐことを「走る」「モタる」、等々、独特な言いまわしが多いので注意しましょう。 ● バリエーション■ フロア刻みのエイトビートアーシーなサウンドを得るためにHHの刻みをFTに移す場合もあります。 Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
刻みがHHでない場合左足アクションが開放されるのでHHフット音が使えます。HHフット音は4分の2,4とか8分の2,4,6,8に入れたりします。ミディアムテンポ以下では左足HHフットのみで8分をすべて刻み、他フレーズのために右手を開放することもよくあります。 ■ ハット4分刻みのエイトビート「シャーシャー」とハーフオープン4分でHHを演奏することも多く行われます。よりハードな感じです。 Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ オールディーズの一例SD2連発が特徴です。2発部分は2拍位置だけでなく4拍位置のものもあります。オールディーズPopsなどでよく聴かれます。 Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ SD 4分4発打ちの一例SDでの4拍強調パターンです。Jimi Hendrix「Purple Haze」やJanis Joplin「Move Over」などで聴かれます。通しパターンとしてだけでなく曲の盛り上げ部などでも使われます。 Step表記 【4/4拍子、1step=8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ ツーバス使用の一例ツインペダルもしくはツインバス仕様でのBD連打パターンです。HR&HMで良く聴かれます。足順は左右どちらからでも構いません。私は左足スタートを使うことが多いです。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ 最近よくあるSDフェイク系の一例オルタナなどでみられるパターンでシェイクとも呼ばれるようです。近年の打込みやループサンプ全盛の影響で、60-70年代パターンの符割部分だけがリスペクト的に組み込まれ広まった感があります。ブラックなテイストはあまりありません。ドラムンベースなどはこのダブルタイム派生型と考えて良いでしょう。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ 16th Feel Funk (16ビート)§§ ▼16基本パターン ▼片手16 ▼HH8分 ▼イーブンなレガート刻み ▼BD 2,4 ▼HH裏打ちディスコ ▼パラディドル応用 ● 16th Feel Funk 基本のリズムパターン≫ Example MIDI File 「rgmd01exp0216th108.mid」 (SMF0, GM, Tempo108, 5.19KB) Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
日本語で「十六ビート」と呼ばれる16分フィールのパターン例です。 上例のように16分音符すべてをHHで刻む場合には、右手はHHオモテ拍とSD2,4、左手はHHウラ拍をオルタネート(交互)でプレイするのが基本になります。当然ながら各譜例のHHオープン位置、BD位置などはあくまで一例です。 ● バリエーション■ シングルハンド16ビート、シングル16ビートミディアム以下のテンポではHHを右手のみで刻んで左手はSDということもよく行われます。両手刻みとは波的なうねりのニュアンスが違うので適宜使い分けます。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ HH8分刻み右手のHHが16分をすべて演奏せずに8分刻みでプレイする場合も頻繁にあります。16のフィールを表現するには、左手SDゴーストノート(音量のごく小さいタップ音) をよく使います。歌モノやロック、ファンクなどでは非常に使い勝手が良いアプローチです。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ イーブンなレガート的刻み刻みがレガート音形になったシングル16派生型で、より速いテンポで使えます。刻みも「●○○_」やRCカップ(◆)を交えて「◆_○○」とか「○○◆_」などにできますし、HHなら同様に◆をオープンとするなど多数のバリエーションがあります。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ BD 2,4 パターン特に変わったところもないHH刻みにBDを2,4に入れたものです。イントロ部、インタールード部、Bassソロバッキング、MC時のバッキングヴァンプなど、ややおとなしい音を要求される場合に重宝します。譜例でHHはベタ打ち表記にしてありますが、適宜必要に応じて歌わせます。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
HHはロール系ルーディメンツ音形を交えて色付けする場合がよく見られます。 Step表記 【1step=32分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ オープンHHウラ打ちのディスコ系70年代ディスコからの流れでユーロなどでも聴かれるパターンです。特徴的なHHオープンは16分系だけでなく8分ものにも応用可能です。HHをオープンさせずクローズのままアクセントをウラに置いたパターンもあります。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
ディスコからは感じが外れますがHHオープン位置を表裏ひっくり返したものはジャンル問わず盛り上げ部で重宝します。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ パラディドル的パターンパラディドルを応用した一例です。もっとシンプルに取り入れた代表例ならLed Zeppelin「Immigrant Song」です。 Step表記 【4/4拍子、1step=16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ 6/8 Rhythm & Blues§§ ▼6/8 R&B 基本パターン ▼3連8分音符を2つに細分化 ▼3連8分音符を3つに細分化 ● 6/8 R&B 基本のリズムパターン≫ Example MIDI File 「rgmd01exp0386b96.mid」 (SMF0, GM, Tempo96, 4.33KB) Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
R&B 3連系の代表的な例です。譜例のように3連をすべて刻む演奏はミディアムからスローテンポの曲でよくみられます。エイトビート同様に右手はすべてHH、左手はSDで問題ありません。6/8の通称ですが12/8や4/4表記も多く記述はテンポやコンポーザーの意図によりまちまちだと思います。「ダウンビート、アップビート、ダウンビート、アップビート」のひとまとめで4/4の1小節と感じてプレイすれば問題ないと思います。 ● バリエーションスローテンポ域では基本パルスである8分音符(3連8分音符)を更に2つに細分化したものと3つに細分化したものがあります。 ■ 3連8分音符のひとつをさらに2つに細分化3連8分音符のひとつをさらに2つに細分化してイーブンなうねりを出す場合の例です。 Step表記 ※ 1拍を6つに細分化 【4/4拍子、1step=3連16分音符(=24分音符)】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
■ 3連8分音符のひとつをさらに3つに細分化3つに細分化してハーフタイムシャッフル的フィールを得る場合の例です。 Step表記 ※ 1拍を9つに細分化 【4/4拍子、1step=1拍9連音符(=36分音符)】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
上記は譜面の現場では下の様に「4分音符1拍音価=3/4の1小節」とみなして表記する場合が多いと思われます。 またさらに上記2例の中間的な細分化をしてスウィングの感じにする場合もあります。 ■ Shuffle§§ ▼Shuffle 基本パターン ▼高速ブギ ● Shuffle 基本のリズムパターン≫ Example MIDI File 「rgmd01exp04sfl168.mid」 (SMF0, GM, Tempo168, 3.46KB) (※譜例は下表Step表記の前半のみ) Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
ロックやポップスで多く見られる3連系パターンです。HH,RCなどの刻みは手首のアップダウンも活用しつつ通常片手で行います。3連音符すべてを演奏せずに中抜きでバウンス感を出す場合のほうが多くなります。中抜きした部分にSDゴーストノートを入れることもよくあります。跳ね具合はほぼ均等3連割りです。スウィングでみられるようなイーブンと3連の中間的跳ね具合を求められることはあまりないでしょう。 ゴーストノート使用例。音量Accent=8割、Non Accent=5割、Ghost Note=2割のイメージ。 (※譜例は下表Step表記の前半のみ) Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost Note/_=Rest〕
● バリエーション■ 高速テンポのブギHR&HMでよくみられるツインバスを使った高速ブギです。右手はレガート音形、左手はSD+ゴースト、両足でバウンス刻みです。 Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ Half Time Shuffle , Shuffle Funk§§ ▼Half Time Shuffle 基本パターン ▼シャッフルファンク ● Half Time Shuffle 基本のリズムパターン≫ Example MIDI File 「rgmd01exp05htsf90.mid」 (SMF0, GM, Tempo90, 4.49KB) Step表記 【4/4拍子、1step=3連16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
別名16ビートシャッフル。16ビートをバウンスさせた感じです。HH,RCの刻みは片手です。SDゴーストを入れる頻度は高くなります。手首アップダウンも使用します。この感じはFunkのダウンビート/アップビート組み合わせのタイムが倍に伸びているので「テンポ半分の感じ=ハーフタイム」と呼ばれます。これとは逆にフィールが半分に縮んだ場合は「ダブルタイム」です。 ● バリエーション■ シャッフルファンクテンポ100以上ではシンバルレガートの刻みに近いものもあり、シャッフルファンクとも呼ばれるようです。これを完全6割りにしないでスウィングっぽい中間的跳ね具合で演奏する場合もあります。 Step表記 【4/4拍子、1step=3連16分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/◎=Ghost/_=Rest〕
■ Swing Feel Jazz§§ ▼Swing 基本パターン ▼HHレガートのパターン ● Swing Feel 基本のリズムパターン≫ Example MIDI File 「rgmd01exp06swg112.mid」 (SMF0, GM, Tempo112, 4.69KB) Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
俗に「フォービート」「スウィング」と呼ばれるJazzのパターンです。この音形を使った50-60年代のバップやモダンでみられるようなオーソドックスな突っ込み気味のノリのことをストレートアヘッドと言ったりします。 右手RCの刻みはシンバルレガートと呼ばれます。状況により刻みをHHに移す場合もあります。基本的には3連フィールですがそのパルスは柔軟に変化し、アップテンポではイーブン(全く跳ねない)に近く、スローではほぼ完全3連になったりします。 4分パルス刻みはレガートが担当し、2,4アップビートはHHフットクローズで強調します。その上に左手SD,右足BD,などを使い「合いの手」的フィルインを自由に入れていきます。ベースラインをオーケストレーションするのは右手レガートになりベース音の輪郭と突っ込み感をフォローします。音形も自由度は高く、4分音符のみレガート、HHフット4分刻み、アンティシ(シンコペ)多用レガートなども頻繁に行われます。 Rockではドラムの上にベースが乗っかっている感覚ですがJazzではそれが逆転している感じです。しかも1曲中でもプレイヤー間の役割はかなり流動的で、曲の部分部分で入れ替わります。 ● バリエーション■ HHレガートのパターンレガート音形をHHに移したもの。HHオープンを絡めるとキャッチーな感じになります。HHオールクローズでも演奏されます。 Step表記 【4/4拍子、1step=3連8分音符】 〔●=Accent/○=Non Accent/_=Rest〕
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