● ドラマーはじめの一歩
1. 自分のお気に入りの曲を聴きまくる
まず漠然と「ドラムやりたい」と思っているだけでは後が続かないでしょう。ものごとには困難が付き物。楽器演奏といえども例外ではありません。今後起きるであろう困難を困難と感じないためにもやる気を起こさせる原動力が必要です。「絶対この曲を演奏できるようにしてやる」というふうに自分が高まるまでひたすら聴きまくりましょう。ドラム演奏がよくわかるビデオ映像を観るのも非常に効果的です。お気に入りドラマーの格好良さに感動しまくって下さい。
2. 真面目に音楽をやっている友人を見つける
やはりきっかけとなる友人の協力は必要だと思います。別に一人でもドラムは始められますが、たとえばいきなりドラムセットの前に座らされても全くの未経験者の方は精神的にも躊躇するでしょう。レンタルスタジオの使い方からして最初は闇の中の筈です。最もベストなのは師匠とするべき先生を確保することですが滅多なことでは機会がないでしょうし、通常はスクールに入るなどのお金が掛かってしまいます。さしあたっては信頼のおける音楽系の友人で十分でしょう。
3. 友人にアドバイスされつつ楽器屋に行く
最初の買い物です。「スティック、\1,000ぐらい」と「チューニングキー( ≫サイト「ドラム馬鹿一代」内ページ )、\150ぐらい」のふたつです。この時点で友人は特に必要ないのですが、有力なアドバイスをいただけると思います。その友人を通じて楽器店の店員さんと知り合いになれるかも知れません。スティックのモデルは木製のノーマルであれば何でも良いのですが迷ったらPaerl社の110Hでも買っておきましょう。もっとも平凡で且つ優れたモデルです。
※参考、楽天内Shop≫【スティック】≫
イケベ
イシバシ
OK-Music
スガナミ楽器
※【各種スティック種類、スペック表】≫
モリタ楽器内、Sticks Mallets Burushesのページ参照。
4. その友人とともに練習スタジオに行き生ドラムの音を実際に体験する
本格的な練習に入る前に実際の楽器の音を聞いておかなければ話になりません。アマチュア向け練習スタジオには通常ドラムセットが常設されているので、これに実際に触ってみるわけです。スタジオは時間\2,500前後の時間貸しシステムですが、大概は個人練習とか当日予約とかの割引システムがあります。スタジオに電話して料金その他割引システムを問い合わせてみましょう。ここでも友人がいれば使い勝手の良い近隣のスタジオなんかを教えてくれるでしょう。
段取りが決まればあとはスティックとチューニングキーを持って友人とともに予約した時間に行くだけです。とりあえず下準備などはいりません。ここで友人がドラマーであればベストですが、そうでなくてもあなたのわからないことをいろいろ教えてくれることでしょう。この時点で演奏がまったくできなくとも当然問題はありません。まがりなりにも叩いて出る音の感触を掴めれば十分ですし、自分で出す音に感動さえすると思います。ポイントは「各パーツの音がどんなものであるかを把握する」「生ドラムの感触を把握する」ことです。
5. 再び楽器屋に行く
まず絶対に必要なメトロノームを購入しましょう。電子式でヘッドホンでも聴けるタイプです。値段は\5,000前後であると思います。さらにもうひとつは練習台です。できれば本物のスネアが1台欲しいですが、買ったところで鳴らせる場所がありません。練習台は直径25cmぐらいのゴム製パッド1枚にスタンドのついた最もシンプルなもので十分でしょう。これも\5,000前後だと思います。逆に最初からドラムセット型の豪華な練習パッドやエレドラはいけません。最初にまがい物に慣れてしまうと後々苦労します。目的は「ゴムパッドだけをプレイできるようになる」のではなく「ゴムパッドでも何でもプレイできるようになる」ことです。パーツ移動やフットワークの練習をする前にまずスティックでまともな音が出せるようになる方が先決です。
完全初心者にとって手足をバラバラ(本当はバラバラではないのですが)に動かしていることは凄そうに思えますが、四肢を駆使することはじつはそれほど困難ではありません。どんなに頑張ったところで使えるのはどうせ4つしかないですし…。重要なのは美しい音を奏でるためのコントロールテクニックの方で、この技術さえ会得できれば、手で完成したものを足に移植する感覚で望めば良いと思います。
※参考、楽天内≫【メトロノーム】≫ イケベ OK-Music スガナミ楽器 【練習台】≫ イシバシ スガナミ楽器 OK-Music
6. 果てしない個人練習に入る
練習計画として
- 【本格的な個人練習は最低でも週1〜2回練習スタジオで生ドラムを使って行う。】
- 【自宅でパッドでの練習はスタジオに入る時の予行演習と考える。】
といったところから始めてみるのはどうでしょうか。個人練のスタジオ料金だけは惜しまず投入したい部分です。フレーズ練習以外にもセッティングやチューニングの練習にも利用できます。
- !注意:据置器材取り扱いの心得
チューニングなどで自分所有でない人様の楽器を大幅に弄るときには必ず了解を得ましょう。さらに元あった状態への現状復帰は礼儀中の礼儀です。一般のリハスタなどに限っては一応弄られることを前提で営業してはいますが、それでもあくまで「チューニングが解っている人に対しての信用で」というスタンスです。私も若い頃チューニング研究でよくスタジオ入りしましたがまずは自分所有のスネアを持ち込んである程度の技術を磨くことが大前提です。常設セットをヘビーに弄るのは技術が上達してからにしましょう。ごく初期の頃は先輩ドラマーの練習にお供して詳細を盗ませて頂いたりもしました。また、設置の機材などについて不明な点はお仕事を煩わせない範囲(←大原則)でスタジオのスタッフに必ず訊いて勉強しましょう。
練習の具体例ですが、まずはメトロノームにピッタリあわせて4分音符や8分音符をただひたすら続けるだけで良いでしょう。テンポ遅から速までまんべんなく。アタマにアクセントをつける、ひたすらピアニシモだけ、フォルテシモだけ、とか、左右交互打ち、右手だけ、とかやることは無限にあります。カリキュラムはあなたのアイデア次第です。教則本やビデオを参考にしてももちろん良いですが、ごく最初のうちは上記のやり方で行うのとそれほど大差はありません。最初から金などかけなくとも十分うまくなれるはずです。ただ金銭的余裕があればいろいろ利用するのは良いことで、特に一流のライブなどは足を運んで目の前でプレイを体験することをお薦めします。教則ビデオなどはやや慣れてきた頃にとてつもなく強力なアイテムとなるでしょう。
さて、最初の目標 (じつは永遠の目標でもある)はこのタタタタ…だけで踊り出せるようなビート感を生むこと。スタジオではスネアを使うだけで構いません。これとてどんな天才でも1〜2か月はかかる筈です。ふつうはそこそこと思えるまでに2〜3年はかかると思われますが根性次第です。自宅では鏡でのフォームチェック、録音も忘れてはいけません。メトロノームはいつ如何なる時も使用し、スタジオではスピーカやアンプからクリック音を出すこともしてみましょう。このメトロノームとのセッションがタイム感の会得のみならず、将来バンド演奏でのアンサンブル感覚を養うのに非常に助けになる筈です。とにかく「自分の思ったタイミングに口で歌うように思った音を入れることが出来る」、ということを目指しましょう。
ショットの感覚に慣れてきたらスタジオでは右足で手と同じことをやってみると良いでしょう。手もスネアだけからさまざまな他パーツに変えてみて感触を掴みましょう。このあたりから8ビートなどを試してみても良いかも知れません。またバンド結成とはいかなくても、先達の友人達と話をつけてセッションがてらジャムってみることです。本来はルーディメンツと呼ばれる基礎をこなしてからでないと曲のアンサンブルをするべきではないのですが、単純基礎練だけでは息が詰まるでしょうからたまにはお遊びでスタジオに入りましょう。そうしてジャムってみるとまずは自分の下手さに凹むと思います。基礎の重要性を身をもって思い知ることでしょう。つまりそこがミソだったりします。こんな感じでじゃんじゃん明日への活力を生み出して下さい。
そうこうするうちにまわりからドラム依頼のお声が掛かると思います。バンドをすることになり曲そのものの練習を始めたとしても基礎練は平行して日々やり続けましょう。またすでにバンドを組んだ後で一からドラムを始めた方はバンド練習に突入する前からみっちり基礎練をやり込んでおくようにしましょう。
※参考≫ Amazon.co.jp 教則本
【Dave Weckl】Ultimate Play-Along Drum Trax:Level1 Vol1
&
Vol2
※マイナスワンCD
【ラリー・フィン】ドラマーのための演奏能力開発エクササイズ
&
Vol2
&
Vol3
【岩瀬立飛】
フィル・インの常套句 ジャズ・ドラミング編 DVD版
【リットーミュージック】リズム&ドラム・マガジン直伝技(総合初級),
直伝巧(総合中級),
直伝響(ハードウェア)
● その他
■ 耳コピー
耳を鍛えることはとてつもなく重要です。言葉では上手く表現できませんが「耳の理解力」とでもいうべき頭脳の働きこそが「音楽する」ということだと思います。自身の欲しい音が明確に意識できなければ幾ら機械的練習を積んだところで無意味なのはお判りでしょう。また外界から自分に入ってくる音を緻密に聴き分けられないと演奏は成り立ちません。この能力を高める点で耳コピーという作業は絶大な効果をもたらします。
残念なことにアマチュアレベルでは「コピーといえばまず既存の楽譜使用」的感覚がどうしてもみられるように思います。これだといつまでも耳が稚出なために上達しないばかりかアンサンブルで会話するという本当の面白さを知る前に挫折してしまうでしょう。プレイヤーとして「イケてる」かどうかの決定的な差はここにあると思います。勿体ないことにキャリア10年以上の私の同輩プレイヤー連中でもこれに気づかないためいつまでも上達できない方が大勢います。
こういった常識が蔓延してしまうのは、とっつきで楽譜というモノとして見える視覚から入ったほうが入門者には安心できるという安易な感覚の表れなのかもしれませんが、音楽は言わずもがな耳の商売です。良い演奏を聴き親しむことをしないまま楽譜から入ってしまうと余程の天才以外は視覚世界に囚われて音世界の本質に気付く障害になってしまうのではと個人的には考えています。私の経験では「耳の鍛錬」が上達のためのほぼすべてといってよいぐらいで物理的練習などは1割にも満たない感覚です。具体的にいえば自分で進化させた耳に技術を追いつかせていくことの繰り返しとなります。まずはコピーまでいかなくとも良質な演奏をひたすら聴きまくることから始めてみましょう。
余談となりますが、コンテンポラリーにおいてのドラムは演奏する個別の音符うんぬんより曲の構成把握や起承転結含めた全体の抑揚、アンサンブル盛り上げのための音補強、グルーブに通じるうねりの構築などに重点が置かれます。演奏現場では提示された音符を一字一句再現することなどまず要求されないですから、読譜能力などは2の次、むしろ構成力(作曲法)とか情緒表現力、タイムキープ&コントロール力、さらに本番(客前)でこそ最大能力を発揮できるサービス精神力とかを磨いておくほうが遙かに役立つでしょう。
■ 次に購入しておきたいもの
あって便利なものの順でいえば、スティックケース、スネアドラム、スネアスタンド、スネアケース、フットペダル、ペダルケース、ドラムスローン、フットペダル用練習パッド、というところでしょうか。値段的な部分でスネアは多少後回しになるとは思います。またドラム器材は完全プロ仕様などという概念がないので中級者以上向けの市販製品はある意味完全プロ仕様です。購入に際しては初心者向け製品は絶対にお薦めしません。十分なクオリティを持つ中級者以上向け製品が高価すぎない値段であるのですからそれを買っておけばいつまでも現役で活躍してくれます。余談ですがドラムのみに関しては国内主要3メーカー(Yamaha,Paerl,Tama)ともが世界最高峰クラスを誇ります。
※参考:
【Drum専門ショップ】≫
モリタ楽器
Gateway
Act
浅草コマキ楽器